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朝、いつものように駅に向かう。 途中いくつかの通りを渡らなければならないのだが、横断歩道の手前に黙って立っているだけでは車はなかなか止ってくれない。というよりも、最近では横断歩道で止る車の方が珍しい。よほど派手なアクションでアピールでもしないかぎり、ほとんどの車は素通りして行く。中には、こちらが渡ろうとするとクラクションを鳴らす奴までいる始末だ。 かと思うと、駅のロータリーでは歩行者が群れを成し、路側の花壇を乗り越えて車道を我もの顔で横切っていく(その中には私も含まれているのだが…)。数の力は強大である。 日本の道路に昔のような交通ルール/モラルはもはや存在しない。これも今の日本社会の反映なのだろう。「自己責任」「自由主義」「民主主義」の名の下に現れた「自己中心」「弱肉強食」「弱者切捨」の社会。 しかし一方では、こんな光景も見られる。駅近くの信号付き交差点の横断歩道では、警察官がずっと立ち会っていて、歩行者用の信号が青に変わったのを見て、「さあ、渡ってください」と笛を吹くのだが、これもまた、日本社会の別の一面の反映なのだろうか……。 『交通事故0の街』:宇江武市 |
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